セミナーの仕事をしていると、目標を設定し、それをどうやって達成するかを教えてほしい、と頼まれることがあります。
参加者に、
「どうして目標を達成することがそんなに大事なのですか?」
ときくと、
「望みがかなうと、しあわせな気分になれるからです」
という答えが返ってくることがしばしばです。
その答えにはもっともな部分もありますが―欲しいものが手に入れば、生活はそれなりに楽しくなります―でもそれは、ちょっと的はずれでしょう。
目標を設定して、それを達成することの真価は、受けとる報酬にあるのではなく、目標に到達したことで”あなたがどんな人間になるか”にあるのです。
そのように、わかりやすい区切りをすることによって、個人および仕事上の目標の達成に集中しながら、同時に人生の道を楽しむこともできます。
わたしが好きな哲学者のひとりであるラルフ・ウォルドー・エマソンは、
「りっぱなに成しとげられたことの報酬は、それを成しとげたことである」
といっています。
もっと賢明なリーダーになることでも、よりよい親になることでもかまいません。
そういった目標を達成すれば、そのプロセスで、あなたはひとりの人間として成長しているのです。
その成長に気づかないことも多いでしょうが、まちがいなく成長しています。
ですから、目標を達成したことで得られる報酬を味わうだけでなく、目的地に着くまでのプロセスがあなたという人間を向上させたことを祝ってください。
ああたは自己鍛錬を成しとげ、自分の能力に関してあらたな発見をし、さらなる潜在能力をあきらかにしたのです。
そういったこと自体が報酬なのです。