2009年11月19日木曜日

自分から運命を引き寄せる

「そうなるのであれば、それはわたし次第だ」というのは、すばらしいマントラです。

最近、新聞で読んだのですが、人口の優に十パーセントの人びとが、宝くずに当選して引退後の資金にあてると断言しているそうです。
未来の質を、選択ではなく偶然に託している人が多すぎます。
それを読んで、弟が子どもだったころの習慣を思いだしました。

カウンターから落ちそうなグラスを見ると、彼は駆けつけてグラスをとめよとはせずに、両手で耳をふさぎ、グラスが割れる音を聞かないようにするのです。

この逸話から得られる知恵は、たんにこういうことです。
わたしたちは世の中の現実に対して耳目を属さなければならない。
こちらが人生に働きかけ、なにかが起きるような行動をとらないと、人生のほうから働きかけてきて、こちらが望まない結果がもたらされるでしょう。
それは、人間を何千年も支配してきた自然の法則のひとつです。
これから数週間でもっと主体的になるために、自分自身を運命の最高経営責任者、人生のCEOとみなしてください。

すべての有能なCEOは、「そうなるのであれば、それはわたし次第だ」ということをわかっていて、自分自身の夢をすすめる行動をとります。
おなじように、なにかを成しとげたいのであれば、運が向いてくるのを待つのではなく、運をつかむ手段を講じるのです。
問題の解決や機会をとらえることに力を貸してくれそうな知り合いがいたら、すぐに電話をかけましょう。

いいですか、あなたは弁解することもできるし、進歩することもできます。
でも、その両方はできません。

弁護士をしていたころ、わたしはダウンタウンにある高層ビルのオフィスまで、45分かけて電車通勤していました。
毎日きまって目の前にすわる男性がいたのですが、わたしは彼を「人生のCEOになる」という規範のモデルとみなすようになりました。

ほとんどの通勤客が居眠りをしたり、とりとめのない空想にふけったりしているのに、その男性は運動をしながら45分をすごしていました。
席にすわってから駅に着くまで、腕のストレッチをしたり、首をまわしたりして、健康を向上させる一連の運動を正確にやっていたのです。
運動する時間がないとこぼす大勢の仲間入りをせずに、自分でことを運び、機会を活用していました。
たしかに、ちょっとばかげて見えました。
でも、自分が正しいことをしているとわかっているときは、他人にどう思われようと気になりません。

自分自身を人生のCEOとみなせば、自分の世界を見る目が抜本的に変わります。
乗客として人生を航海するのではなく、あなたが船の船長になるのです。
そして、変化する気まぐれな潮の流れに左右されるのではなく、あなたが選んだ方向にすすむのです。

人生をされにうまくコントロールしながら、心理学者のウィリアム・ジェイムズの示唆的なことばをじっくり考えてみてください。
「現実に対する人類共通の本能があるから、世界は本質的につねに勇者のための劇場になっている」