自然を楽しみながら時間をすごしても、けっして損はしません。
森のなかを歩くことには、なにか特別なものがあります。
足どりが軽くなったような気がして、内なる静寂が全身に満ちあふれ、想像力が湧いてくるでしょう。
イタリアの有名な建築家で画家のレオナルド・ダ・ヴィンチは、こういっています。
「心の窓をとおして、魂は世界の美しさをじっと見つめる……自然の小さな景色のなかに宇宙のイメージがふくまれていると、いったいだれが信じられよう?」
わたしが好きな季節は秋です。
木々の葉は秋のあざやかな色を映し、森のなかをそぞろ歩くには最適の時期でしょう。
街の喧騒をはなれると、わたしが大切にしているさまざまな価値がさらに明確になって、人生のもっと大きな問題についてじっくり考えることができます。
あわただしい日常生活のなかでは、けっして答えの出ない問題を、小川のほとりで足をとめ、苔むした岩に腰をおろしてくつろいだり、森を歩く人しか味わえない香しさを胸に吸いこんだりできます。
その自然のオアシスをあとにするとき、わたしは別人になっています。
もっと注意深くなり、エネルギーに満ちあふれ、生きいきしているのです。
古くからある偉大な知恵の多くは、いつも森を歩くことで得られる回復力を重視しています。
生気を与えてくれるこの訓練は、いつもうれしい結果をもたらしてくれます。