父の日に、息子が学校から手書きのカードをもって帰ってきました。
表紙には彼の小さな手形が押してあり、カードのなかに貼ってある息子の小さな写真のうえには、つぎのことばが書かれていました。
ぼくが小さくて、かぐやかべにいつもしもんをべたべたつけるから、パパはときどきがっかりしている
よね。でも、ぼくはまいにちそだっています-いつかぼくが大きくなったら、そういった小さな手のあ
とはきっとぜんぶきえてるよ。
だから、小さなときにぼくのゆびがどんなふうだったかをちゃんとおもいだせるように、さいごの手の
あとをのこしておきます。
子どもの成長はとてもはやいものです。
分娩室のなかに立って、息子が生まれてくるのを待っていたのが、ついきのうのことのように思えます。
その二年後には娘が生まれました。
子どもたちにもっと時間をさくのは、”仕事がちょっと落ちついてから”とか、”出世してから”とか、”来年、もう少し時間ができてから”といって、自分自身と約束するのは簡単です。
でも、こちらから人生に対して行動を起こさなければ、人生のほうからこちらに行動を起こしてくる習性があります。
知らないうちに数週間は数ヶ月になり、数ヶ月は数年になって、小さかった子どもは大人になり、自分の家庭をもってしまいます。
あなたがわが子たちに与えられるもっとすばらしい贈り物は、あなたの時間です。
そして、あなたが自分自身に与えられるもっともすばらしい贈り物のひとつは、子どもたちと楽しくすごし、彼らの真の姿をながめることです。
子どもたちは人生の小さな奇跡なのです。
アメリカで活躍しているレバノンの詩人、ハリール・ジブランは、『預言者』という本のなかで、わたしよりはるかに説得力のある表現をしています。
「あなたの子どもたちは、あなたの子どもたちではありません。彼らは生命そのものがみずから待ちこがれて生みだした息子たち、娘たちなのです」